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【2024年度版】総合型選抜の出願条件・資格を徹底解説。143校徹底調査

総合型選抜では学校側が大学の理念に合う生徒を選ぶために、さまざまな出願条件を設定しています。

条件はクリアするのが簡単なものから難しいものまでさまざまですから、出願校選びの際には自分が出願できる大学を選ぶところから始めなければいけません。

では、具体的には総合型選抜で設定される出願条件にはどんなものがあるのか、今回は、その代表的なものを紹介します。

また、143大学2,209方式(2023年度入試)の総合型選抜を集計して、各条件の必要率も掲載したので、参考にしてみてくださいね。

前提:基本的に、大学受験は、高校3年生と既卒生が対象。しかし社会人や外国の大学出身者が対象のことも

まず前提として、当たり前と思うかもしれませんが大学に入学するには高校を卒業していなければいけません。ですから、基本的には既卒生か次の3月に高校を卒業する高校3年生が受験をすることになります。

しかし、外国の高校を卒業していたり、高卒認定を受けていたり、高校卒業と同等の学力を持っていたりすると認められた場合などには受験が認められることもあり、この条件に関しては学校によって扱いが異なります。

また、社会人の受験が認められているものもあります。

ここでは、日本の高校を卒業する受験生を想定して、総合型選抜で課される出願条件・資格について紹介します。

総合型選抜は、特別な才能・経験・資格がなくても誰でも受けられる

総合型選抜については、「特別な才能や資格がないと受験できない」「留学などの経験がないと受験できない」という風に思っている受験生が多いようです。特に、総合型選抜といえば先に述べたような特別な活動の条件が必要というイメージが強いという人もいます。

しかし実際には、総合型選抜はごく一般的な大学受験生でも受験することができる試験です。

確かに、条件として留学経験やスポーツや文化活動などの高度な実績を求める学校・学部もあります。これらは家庭の環境や小さなころからの積み重ね、生まれ持った才能で決まる部分も大きく、受験生が一年でどうにか手にできる条件ではありません。

しかし、そうしたかなり特別な条件を指定している学校は実は少数派です。

「本学で学ぼうとしていることに関連して努力したことを説明できるもの」や「本学で学ぶ熱意を持っているもの」といった程度の条件しか指定していない学校も多くあります。

実際に以下のような声もあります。

「総合型選抜はこれまでに特別な経歴・実績がなくても合格出来る。というのは私自身強く思います。実際に、合格した友人の中には、高校の時に色々なプログラムに参加したり、賞をとっていた人もいますが、私はそうしたことはなく、ただ文化祭や体育祭でリーダーを務めて頑張ったくらいです。逆に、プログラムに参加していたり、全国レベルで賞を受賞していたけれど、総合型選抜で不合格になった友人もいます。
ー京都工業繊維大学 工芸科学部 合格者」

ですから「自分は特別な経験なんてしていない」と思ってあきらめる必要はありません。自分の条件で受験できる大学を探してみましょう。

総合型選抜の主な出願条件・資格

現役・浪人要件、年齢制限(条件あり:37%)

  • 現役のみ:21.7%
  • 1浪、2浪までなど、条件付きで既卒可:15.3%
  • 条件なし: 62.7%

大学や学部によって、その受験年度に高校を卒業する、いわゆる現役生のみを対象としている場合と、既卒生(いわゆる浪人生)も受験できる場合とがあります。

これは完全に学校や学部次第なので、募集要項を確認してみるしかありません。また、既卒生可の場合も、1浪まで、2浪まで、といった制限がついていたり、「出願時25歳以下」といった年齢制限がついていたりする場合もあります。

評定平均(必須率22.2%)

そもそも評定平均とは

評定というのは、簡単に言うと学校の成績のことです。推薦入試では最重要な評価基準の一つとされていますが、総合型選抜でも評定平均を出願条件としている大学・学部があります。

高校によって成績表(通知表)の評価は5段階だったり10段階だったりしますが、評定は5段階で算出します。学校の成績表が10段階の場合は、学校の基準で5段階に計算し直されます。(学校によって「成績表の9と10は評定5」としている学校もあれば、「成績表の8と9と10は評定5」のようにしている学校もあります。)

具体的には「全体の評定平均が3.8以上」「全体の評定平均が3.5以上で、英語の評定が4以上」などのように募集要項に記載されています。

傾向としては、評定平均は不要なことのほうが多い

全体的な傾向として、評定平均は不要の大学・学部のほうが多いです。(必要な大学・学部は2割程度です)つまり、学校の成績表の内容がそれほど良くなくても出願可能な大学は多いので、あきらめる必要はありません。

ただし、選抜の条件に不要とはいっても、高校の調査書自体は出願時に必要になりますし、あまりに調査書の点数が低いと書類審査の際にマイナス評価となる可能性もあります。

また、学校の評定が極端に低い場合は、学力か、普段の学校生活に問題がある場合が多いため、そうした受験生はあまり総合型選抜には向いていないと判断されるかもしれません。

成績は良いに越したことはありませんから、普段から勉強を頑張り、きちんとした学校生活をおくりましょう

出席日数などの条件がある場合も

また、成績表に関して言うと、欠席日数が多い場合は受験できない大学もあります。やはり大学としても、きちんと大学に通ってくれる学生が欲しいですし、出席日数は真面目さを測る一つの基準にもなるのでしょう。

具体的には「1年生から3年生1学期までの欠席日数が40日以下(公欠除く)」といった条件です。

ただし、こうした条件を出す大学はかなり少数派です。極端に欠席日数が多い場合でなければ、基本的に気にする必要はありません。(ただし、先ほどの評定と同様、極端に欠席日数が多かったりすると書類審査で不利になる可能性はあります)

履修要件(必須率11.7%)

これは、高校在学中の履修科目を指定する条件です。特定の科目の基礎的な知識を持っていないと、入学後の学びに支障が出る場合に設定されていることが多いです。全体としてはそれほど多い条件ではありません。

特に多いのは、理系学科で数学や理科の履修条件が定められている場合で、理系の学部では多くの大学で履修の条件が課されています。理系では数学Ⅲが必須となっていることも多いので、履修していない人は条件に気をつけましょう。

文系学部では、外国語学部などや国際系の学部で外国語の履修が必須になることが多いですが、現在高校生で英語を履修していない学生はほとんどいないでしょうから、あまり問題にはなりません。

文学部の歴史学科や地理系の学科では社会の科目について履修条件が付いていることもあるので、注意が必要です。

保有資格(必須率19.4%)

特定の資格を有していることが条件となるものです。代表的なものは英語の資格です。(英語資格についてはこちらでさらに詳しく解説しています。)

ほかにも、簿記系の資格や情報系の資格、歴史能力検定などが求められることもあります。

「〇〇年以内に取得したスコアのみ有効」といった指定がされていることもあるので、資格取得が数年前の場合などは要注意です。

共通テストの受験(必須率21.1%)

共通テストの受験が条件となっている大学もあります。共通テストの点数がそのまま最終的な点数に加算される場合もありますし、一定の点数を取ることができていればそれで良い、とする場合もあります。

共通テストが必要となる場合は基本的に最終合格発表も2月になることが多くなります。

基本的に

  • 国公立大学では共通テストの受験を条件としている大学が多い
  • 公立大学では不要なことが多いものの、必要な大学もある
  • 私立ではほとんど不要

となっています。

総合型選抜における共通テストの扱いに関してはこちらでより詳しく解説しています。

特別な活動の条件(必須率20.3%)

スポーツ活動や芸術活動、文化活動の経験や入賞経歴と、それを証明する書類提出が必須となっている学部もあります。

例えばスポーツだと県大会入賞、全国大会出場、文化活動では全国規模のコンクールで入賞など、社会活動の場合は特定のボランティア活動に参加したことなどが該当しますが、これもどの程度のレベルが出願条件になるのかは学校によります。

また、客観的な結果(入賞や優勝など)を残していることを条件としている場合もありますが、「主体的に取り組み、リーダーシップを発揮した」など、抽象的な表現で条件を指定していることもあります。この場合は、自身が条件に当てはまると思えば出願できることになります。その内容については面接などの際に必ず聞かれることになるので、しっかりと他人に説明できる経験があるのであればOKです。

専願

総合型選抜では、「合格した場合には必ず入学しなければならない」という条件を設けている大学が多く、このような条件がある場合は結果が出るまで他大学の選抜を受験することができません。そうしたルールのことを「専願」と呼びます。逆に、同時期に複数の大学の選抜に出願することを「併願」と言います。

この専願に関しても学校によって条件は様々ですが、学校によって募集要項に書かれている表現が様々なので、よく確認しておきましょう。

専願制とはっきり書いている大学=絶対専願(58.9%)

募集要項に「合格した場合入学することを確約できるもの」と書いてあったり、「本受験は専願制です」というように書いてあったりする大学は、合格した場合必ず入学しなければなりません。病気など、やむを得ない事情の場合は辞退が認められることもありますが、専願の大学を複数受験するのは必ずトラブルに発展するので絶対に避けましょう

ただし、専願制の大学も「合格した場合は入学する」ということなので、結果が出て不合格だった場合は、当然他の大学や一般選抜を受験することが可能です。

特に私立の総合型選抜は11月ごろまでに結果が出ることがほとんどなので、不合格だった場合は1月以降の一般選抜に向けて受験の準備を進めたり、時期の遅い他の総合型選抜に出願したりするのが一般的です。

専願なのか迷う表現=専願だと思っておいた方が無難(15.7%)

募集要項で「本学を第一志望とするもの」という表現をしている大学も多くあります。この場合、「限りなく専願に近いが、専願とまでは言えない」ということになります。ですが、本学を第一志望とするということは、当然、合格したら優先的に入学する意思があるということですから、基本的には専願と同じだと考えるべきでしょう。

しかし、入学を確約するとまでは書いていない以上、入学を辞退することは不可能ではありませんし、法的に拘束力があるわけでもありません。そのため、他大学と併願して出願する学生がいるのも事実です。

とはいえ、トラブルになる可能性もありますから、基本的には専願と同じだと考えるようにし、併願はできるだけ避けるようにしましょう。

その他の表現・記述がない=基本的に併願可能と思ってOK(25.3%)

「本学への入学を強く希望するもの」という表現や、募集要項のどこを見ても専願・併願について何も書かれていない場合は基本的に併願可とみていいでしょう。募集要項の表現が微妙な場合や気になる場合は大学の事務局に問い合わせてみることをお勧めします。

併願可能であることを明示してある大学も

数はあまり多くはありませんが、「本選抜は専願ではありません」「他大学の選抜との併願が可能です」と明示してある大学もあります。これらの大学では併願は問題ありませんので、受験したい大学には全て出願できます。

例えば、早稲田大学の新志向型入試などは「※本入試は専願入試ではありません。本学の他の入試制度および他大学の受験も可能です。」とはっきり書いてありますし、甲南大学の一部学部では「ただし専願制としない。」、近畿大学では「専願ではありません」といった文言が見られます。

併願可能でも、併願のしすぎは避けよう

出願校が増えるとそれだけ対策すべきことが増えるので、併願可能だからといって出願し過ぎるのも考えものです。

また、やはり第一志望ではないことや、合格してもあまり入学する気がないことなどは、面接官などには伝わるものですし、勉強のモチベーションが出ないということにもなりがちです。あまりたくさん併願するのは避けるべきでしょう。

その他の条件

他にも、学校や学部ごとに本当に多様な条件が設けられているので、必ず募集要項を確認しましょう。

国際系の学部であれば留学の経験が必須とされていたり、宗教系の学部では特定の宗教についてすでに知識を持っていることが必須とされていたり、学部ごとに、入学後学ぶことになる内容に関連した条件となることが多いです。

各種資格・条件が必要な大学、不要な大学はソゴセバサーチで検索できる

ソゴセバサーチでは、総合型選抜で受験できる大学を条件指定して検索することができます。

指定できる条件は「所在地」「英語資格の要・不要」「評定平均が指定されているか」「専願が必須か」「浪人生でも受験可能か」「出願・試験・合格発表の時期はいつ頃か」など多岐にわたります。

そのため、自分の希望の条件で受験できる大学をピンポイントで見つけることができます。自分が受けられる大学がどれくらいあるのか気になる人、受験校がまだ決まっていない人は是非活用してみてください。

検索はこちらから可能です。