総合型選抜のメリットの一つとして、受験の時期が早く、合格を早めに手に入れられるということがあります。
そこで気になるのが、
- 実際にはどのようなスケジュールで進行するのか
- どれくらい早く試験があって、どのくらい早く受験が終わるのか
というところですよね。
一般選抜とスケジュールが異なるとなると、いつ頃から対策を始めるべきか変わってきますし、スケジュールの把握はとても大切です。
ざっくりというと、総合型選抜は一般選抜と比べて全体の進行が2~3か月ほど早くなっていて、特に総合型選抜は出願時期の早さが特徴的です。
総合型選抜では選抜スケジュールも学校によって異なることが多いので注意が必要ですが、ここでは総合型選抜における基本的なスケジュールのパターンを紹介します。
目次
スケジュール・出願の流れ
以下が一般的な総合型選抜のスケジュールとなります。
全体 | 総合型選抜 | 推薦型選抜 | 一般選抜・私立 | 一般選抜・国公立 | |
---|---|---|---|---|---|
6月 | 募集要項配布 | 募集要項配布 | |||
7月 | オープンキャンパス | ||||
8月 | ↓ | 事前エントリー (一部大学のみ) | |||
9月 | ↓ | 出願・書類選考 | |||
10月 | ↓ | 試験 | 出願・試験 | 募集要項配布 | 募集要項配布 |
11月 | ↓ | 合格発表 | 合格発表 | ||
12月 | 出願 | ||||
1月 | 共通テスト | 共通テスト 二次試験 合格発表 | 共通テスト 出願 | ||
2月 | 合格発表 (共通テストが必要な大学) | ↓ | 二次試験 | ||
3月 | 後期試験 | 中期・後期試験 | 合格発表 中期・後期試験 |
もちろん一例なので、詳しい入試スケジュールは各大学の募集要項を確認してくださいね。
募集要項の公開(5~6月ごろ)
総合型選抜では、基本的には毎年5~6月ごろから募集要項が公開されます。(それよりもかなり早く公開している大学もあります)
昨年までの選抜から内容が変わっていることも多いので、出願候補となる学校の募集要項には必ず目を通しましょう。
オープンキャンパス(7〜11月)
大学のオープンキャンパスは夏〜秋にかけて開催されます。オープンキャンパスの内容は様々ですが、実際に大学の中に入れる機会ですし、大学側も全力で魅力を発信するイベントですから、大学の雰囲気を知るにはうってつけの機会です。その大学の雰囲気を知ることができる数少ない機会ですから、興味のある大学のオープンキャンパスには積極的に参加しましょう。
オープンキャンパスに行くことで志望校が決まることもよくあるので、どの大学を受験するか迷っている人は絶対に参加しましょう。また、すでに志望校が決まっている人もオープンキャンパスには参加した方がいいでしょう。というのも、実際に大学に行くことでモチベーションが上がり、その後の受験勉強にもいい影響が出るからです。
また、オープンキャンパスでは過去問を配布してくれたり、受験に役立つ知識を直接大学の職員さんから教えてもらうことができるので、むしろ受験を決めている人にこそ大きなメリットがあるとも言えます。「オープンキャンパスでいろいろな魅力を感じたため、志望理由書で書きたいことがたくさん思いついた」なんていう声もありますよ。
ちなみに、オープンキャンパスは高校一年生から参加することができます。
総合型選抜を実施する大学は夏までにオープンキャンパスを実施することがほとんどですが、秋ごろにオープンキャンパスを実施する大学もあるため、総合型での受験を考えている場合はオープンキャンパスより前に志望校を決めなければならない、ということもあり得ます。逆に「もうオープンキャンパス終わってる…」なんて事態になることも。少しでも受ける可能性がある大学のオープンキャンパス日程は早めに確認しておきましょう。
出願・エントリー(9~10月)
そして、9~10月に出願となることが一般的です。特に9月前半と、早いタイミングでの出願になることが多いです。
出願期間は一週間程度で、郵送のみ受付の大学もあれば、インターネットのみ、郵送でもインターネットでも出願可能な大学があります。郵送の場合、消印有効の場合と必着の場合があるので、要確認です。
総合型選抜の出願はほかの選抜に比べてもかなり早く、夏休みのうちに準備を終えておかないと間に合わないことが多いので、総合型選抜の受験を検討している場合は早め早めに行動しておくことが重要になります。
夏の前に事前エントリーが締め切られている場合に注意
学校によっては「事前エントリー」や「仮出願」という行為が必須になっていることがあります。これは出願のための事前の出願というもので、これを予め完了しておかないと本出願ができないというもの。
エントリー期間は出願期間よりもさらに早く設定されていることが多いので、「8月ごろから出願準備を行おうと思ったらエントリー期間が終わっていた」という悲劇も例年起きています。
また、大学によっては、春〜夏にかけて実施される学校説明会やセミナーへの参加が出願の条件となっていることがあります。この場合は説明会の参加が実質的にエントリーの役割を果たすことになります。
事前エントリーを実施している大学は多いとはいえませんが、志望大学の募集要項が公開されたらすぐにスケジュールはチェックしておきましょう。
書類選考・選抜試験(9~11月)
9~11月にかけては実際の選抜となります。(ほとんどの大学では選抜は10月までに終わります)一次選考、二次選考と2段階で選抜を実施することが多いです。
選抜の基本的なパターンとしては
- 一次選考は書類選考、書類選考通過者は二次試験を会場で受験
- 一次試験を会場で受験、合格者は二次試験を会場で受験
- 書類選考はなく、出願者は全員会場で試験
という場合がほとんどで、特に一次選考は書類選考で、書類選考通過者は二次試験を会場で受験というパターンが特に多くなっています。
最終的な合否の判断基準としては書類と試験内容を総合的に評価するということがほとんどですが、ごく稀に、書類は選考の際に使用せず、試験の内容だけで判断すると明示している大学もあります。
また、一部の大学では試験をオンラインで受験できるようにしている場合もあります。
合格発表(11~12月)
合格発表は受験日の1~2週間後が多いです。
合格後の流れは学校により異なりますが、登校日が指定されていたり、入学までの課題が科されたりする場合もあるので、入学後の流れについても募集要項を確認しておきましょう。
共通テストが必須の場合は1月後半~2月に合格発表
共通テストの結果が合否に影響を与える場合も、選抜試験まで(11月まで)の流れは基本的に変わりません。しかし、共通テストの結果が出るまでは合否がわからず、2月ごろにようやく結果がわかるということになります。
試験自体は11月までに終わるものの、結果発表までは時間が空くので、気持ちの切り替えが難しく、受験の戦略やスケジュールを立てるのもしっかり考える必要があります。
後期試験(2~3月)
一般選抜と同じように2~3月に後期試験を実施している大学もあります。
一般選抜では「前期・後期」という形で複数回試験を実施することがありますが、総合型選抜にも「前期・後期」や「I期、II期」と言った形で複数回試験を実施している大学があります。複数回の受験が可能か、専願かといった条件はもちろん学校によって異なりますが、やはり専願であることが多いです。
後期試験を実施している大学はあまり多くなく、後期試験であっても専願であることが多いので、本当に受けたい大学に後期試験があった場合は最後の望みとして出願することになるでしょう。
ただ、総合型選抜に限らず後期試験は倍率が非常に高くなりがちで、あまりあてにしてはいけない試験です。できるだけ後期試験になるまえに受験を終わらせられるように頑張りましょう。
いつから準備すればいい?試験自体の対策は3年生の6月からでもまだ間に合う
総合型選抜の対策はいつから始めればいいのか、というのは多くの受験生が抱える悩みです。
試験対策は10月に間に合うように進めればよいことがほとんどなので、夏前から対策を始めても何とかなる場合が多いでしょう。
もちろん、早いに越したことはないのは言うまでもありませんし、試験の内容によっては3ヶ月ではどうにもならないものもあります。
3年生になるころには総合型選抜の専門塾で準備を始めておくのがよいでしょう。
出願書類の準備も夏休み前から始めておく
実は、総合型選抜でトラブルが発生しやすい場面の一つは出願時の提出書類作成の場面です。出願時の提出書類には調査書や資格の証明書といった事務的なものから、これまでの活動をまとめた書類や志望理由書、小論文などが必要になることが多く、ここで躓くことが多いのです。
「書類を書くくらいなら、そんなに大変ではないのでは?」と思うかもしれませんが、これらの書類は書類選考や最終の合否決定に利用されることが多く、実質的にこの時点から試験は始まっているといってよいのです。
ですから、志望理由書や小論文もかなり気合を入れて書かなければいけません。しかし、ここで「いざ書いてみたら全然うまくいかない」となって、出願直前に焦る受験生が非常に多いのです。
必要な出願書類は早めにチェックして、早めに準備しておくことが大切です。
特別な経歴や社会活動の実績などが必要な場合は、高校3年の4月以前から意識しておくことが必要
大学によっては、高校生の間に何らかの社会活動に参加したことなどが出願条件となっている場合もあります。このような場合は、3年生になってから出願までの間に頑張っても出願条件を満たせないことがありますから、事前の準備が重要になります。
また、特別な経歴は必要なくても、いざ志望理由書を書いたり、自己PRをしたりしようとすると「高校時代頑張ったことが全然思い浮かばない!」「自分の良さが思い浮かばない!」なんてことも起こりがちです。
3年生の夏になってこんな状況になって焦らないように、3年生になる前から受験のことを意識して塾に通ったり、普段から様々な活動に積極的に参加したりする意識を持てるとベストです。
手遅れにならないように、受験を意識した時点から準備を始めることが大切です。