総合型選抜の受験を視野に入れると
合格している人って、どんな人?
自分でも合格できるかな?
具体的にどんな試験が実施されているの?
という疑問がわいてきますよね。
ここでは、国際基督教大学 教養学部 アーツ・サイエンス学科の総合型選抜について、合格した人はどんな人なのか、そして、実際の試験はどんな内容だったのか紹介します。
他学部、他大学を受験する人も参考になる情報が詰まっているので、是非参考にしてくださいね。
目次
国際基督教大学 総教養学部 総合型選抜入学試験(英語外部試験利用型)の出願・選抜条件(2024年度入学試験
専願 | 評定平均 | 履修要件 | 既卒要件 | 共通テスト | 語学試験・検定試験内容 | 試験内容 |
専願 | 4.1以上 | 条件なし | 現役生のみ | 不要 | 英語資格必須 | 入学願書小論文(1500字以内)学校内外における自己活動歴と自己分析(800字以内) |
国際基督教大学合格者のプロフィール
Cさん | |
受験年度 | 令和4年度(2022年度)入試 |
受験大学 | 国際基督教大学 教養学部 英語外部試験利用型 合格 |
進学大学 | 国際基督教大学 教養学部 |
現役・既卒 | 現役 |
性別 | 女性 |
出身高校 | 神奈川県 県立 高校偏差値60後半 |
通っていた塾 | 早稲田塾 |
評定平均 | 4.6 |
共通テスト成績 | 受験していない |
学力レベル | 高校2年時から総合型選抜での合格まで、河合塾マナビスで私立大学一般入試の対策をしていました。 |
英語資格・検定 | 英検2級 |
その他の資格 | なし |
留学経験 | なし |
その他特筆すべき活動 | 創作ダンス部 神奈川県高等学校ダンス新人大会テーマ部門3位 高校での探究活動 |
※高校偏差値は「みんなの高校情報」(https://www.minkou.jp/hischool/ranking/deviation/)を参考にしています。
志望校選び ― 学びたいことについてどれだけ専門的に学るかというよりも探求の仕方が合う大学を選んだ
―総合型選抜を受験したきっかけは何ですか?いつ頃から準備を始めましたか?
高校3年生の5月頃です。高校3年生の春まで、高校受験において学力テストで全ての合否が決まる方法に自信が不向きであること、また疑問を持つという経験をしたため、指定校推薦を目指していました。しかし、高校2年時までの評定平均からして、志望していた大学の指定校推薦の枠が取れることが確実ではないことがわかりました。指定校推薦は大学側の定める評定平均を満たしていても、校内選考があるので結局学校内で上位数名の成績を取っていないと第一志望の大学の枠を獲得することはすることは厳しいです。三年間努力してきた評定平均が無駄になってしまうかのようで、かなり焦りました。諦めて一般入試を頑張ろうとも考えましたが、やはりそれまで頑張ってきた成績と高校の総合的な探求の時間で行ったテーマ研究を何かで活かしたいと思い、いろいろ調べた結果総合型選抜を受けようと思いました。
―志望校はどのように決めましたか?
高校の総合的な探求の時間で行っていたテーマ研究から見えてきた自身の学問への興味のあり方、自身の探求の仕方と大学のカリキュラムがあっているかどうかで決めました。まず、知っている大学が少なかったので、高校の進路の担当の先生や通っていた早稲田塾に、テーマ研究の内容やそこから見えてきた学問に対する興味関心を聞いてもらい、大学をいくつか教えていただいたり、自分で調べたりしました。そして、テーマ研究を通して、このまま探究を続けていけば関心のあるテーマが変わることが簡単に予想できるほど幅広く様々な探究テーマに関心があったが、哲学という学問で扱われているような真理の探求に興味があること、また、その真理は、哲学だけを学ぶのではなくその他の学問や芸術も絡めて学び、哲学のその先へ向かうようなやり方で求められそうなものであるという感覚は、根本的で確実なことであったため、リベラルアーツというシステムが自身の探求の態度合うと考え、国際基督教大学を志望することを決めました。
対策方法 ― 早くから一般受験の対策を始めていたため、3年次はほとんどの時間を総合型選抜の対策に使うことができた
―入試に向けての対策スケジュールを教えてください
高校1年生では学校の成績を取ることに励み、高校2年生から成績を取ることと一般入試へ向けた対策に励み、高校3年生では8対2の割合で、総合型選抜の対策と一般入試の対策に励みました。
―どうやって総合型選抜の対策をしましたか?塾などには通っていましたか?
高校の3年間で総合的な探求の時間においてテーマ研究を行い、加えて高校3年生から総合型選抜で合格するまでの約半年間、早稲田塾で総合型選抜の対策を行なっていました。まず、総合的な探求の時間におけるテーマ研究は、始めから指定校推薦や総合型選抜のために行なっていたわけではなく、とにかく自分の興味に正直に様々な本を自身が理解できるペースで読み、その内容をまとめるということを行なっていました。このゆっくりとした自由な探究によって、深く確実な探求意欲を掻き立てられる対象の発見と洗練が行えたと思います。そして、早稲田塾において、そのテーマ研究をより学問で探求できるものにするために、専門書を読み知見を広げ研究レポートという形にまとめられるようにしました。
実際に入試を受けて ― 面接は入学前に教授とじっくりお話ができる貴重な機会
―総合型選抜での挫折経験はありますか?
あります。
実は、国際基督教大学の総合型選抜英語外部試験利用型と併願で筑波大学のアドミッションセンター入試も受験しました。しかし、こちらの入試は書類選考は通ったのですが、2次試験の面接で不合格となってしまいました。確かに不合格という結果はとても悔しかったですが、その面接を通して学べたこともたくさんありました。例えば、哲学を研究する上で原著、少なくとも翻訳書を読むことは大前提であるにも関わらず、特に研究レポートで言及していた思想については解説書を通してしか触れていなかったことについて厳しくご指摘をいただき、研究者としての姿勢を正していただきました。また、私が哲学という学問領域をさらに深めていくように研究したいのだと興味と決意が固まっていたわけではなく、哲学を学ぶことで興味が他の学問領域へ広がっていくような探求姿勢であったこともご指摘いただきました。
面接という場はもちろん試験であることに変わりはないのですが、同時に入学前にこれから研究を共にさせていただく教授の方々とお話しさせていただくことで、学校説明会やオープンキャンパスとは比にならないほど、大学と自分は「合っているのか」確かめることができる良い機会だと思います。これは総合型選抜にしかないメリットであると思います。
最後に一つ、実は、筑波大学の面接は私にとって初めての面接でもあり、厳しく真剣に向き合っていただいたため、私は途中から泣いてしまいました。泣いてしまうとせっかく質問をいただいてもちゃんと答えられなかったり、いつものようにスムーズに思考できなくなってしまいます。どんなに焦っても、この面接の機会が大学入学前最後にして最大の大学と自分の相性を見定める機会であること、教授の方達は自分の話を聞こうとしてくださっていることを忘れないで冷静に最後まで受けることが大切です。
―自分はどうして国際基督教大学に合格できたと思いますか?
この先たくさんのことを知って自分の世界が広がったとしても、純粋に湧き上がってくる探求意欲の発見とそうした自身の探求の感覚や態度に合った大学を受験したことだと思います。探究を続けると知見が増えそれまで考えつかなかった世界観に出会うことになるので、具体的な探求の対象や方法は変わっていくと思います。少なくとも私は、受験当時も今もこれで一生探求していくと確信が持てるような具体的なテーマは見つけられていません。また、何かを救いたい、何かを作り上げるために探究をしたいという目的も見つけられていません。しかし、私は一方で(とある態度、私の場合はきっと哲学という領域で)探究することが何かの答えを得るためや何かを達成するための手段ではなく、それ自体が一つの重要な目的となるような探究する喜びの感覚に出会うことができたと思います。国際基督教大学は、人間としての重要な軸は持ちつつも、広く聞き入れ、自身の世界観を疑い、その先の新しい可能性に向かって探求していくような態度を求める大学だと思います。だから、私に対して大学入学後様々なことを学び経験してもきっと心の底から探究をし続けるだろうという可能性を見出し、入学を許可してくれたのではないでしょうか。
大学生活― 国際基督教大学にはディスカッションなどを通して他者の意見を聞き、考えを広げることが好きな学生が多い
―入学してみて、総合選抜型で合格した学生と一般選抜で合格した学生のカリキュラムなどに何か違いはありましたか?
もともと総合選抜型入試で入学する人が多いため、カリキュラムや大学生活で違いを感じる機会はないです。
―総合選抜型の合格者はどんな人が多いですか?
これは総合型選抜で入学した生徒に限らず、多くのICU生に持った印象なのですが、探究意欲を持っていたり、広く意見を聞き入れて自分の世界を広げていくこと、例えばグループディスカッションが好きだったりする傾向があると思います。
国際基督教大学教養学部の実際の試験内容について
―志望理由書や学習計画書にはどんなことを書きましたか?
志望理由書には、テーマ研究で探究したこと、この先研究したいことを書きました。テーマ研究の結論から哲学だけではなく心理学や美術考古学研究等も学ぶ必要があるということをなるべく論理的に書いたと思います。また、自己分析には部活動でおこなった大人数での創作経験から、みんなの意見を集めてその共通点や本質を見出すことが得意なリーダーであると書いたと思います。最後に小論文では、②あなたの人生の転機となった経験を解答テーマに選び、哲学に出会って感動したこと、人として大きく変化したことを、心の動きまで伝わるように二つの世界崩壊と超新星爆発に例えてドラマチックに書きました。
―学部の実際の試験内容について
オンライン面接がありました。15分間、二人の先生から提出した書類を元にいくつか質問をされました。
【Cさんの解答】
解答した内容について詳しく覚えてはいませんが、質問についてゆっくりと考える時間もくださり、先生方も私の回答に対してその場で考えて丁寧に受け答えをしてくださり、またそこから質問と話が膨らみ楽しかったです。
―Cからのメッセージ
まず、総合型選抜を受験するにあたって、進路を決めるにあたって、それまで自分の人生に見いだせなかった価値や意味が欲しいという思いを強く持っていました。総合型選抜という入試方式は、なぜ大学進学という進路を選ぶのかという問いに真摯に向き合うきっかけになり、大学入学後も学ぶ意欲を失わず、何を学びたいのかわからなくなることはほとんどなくく、何かしらの形で私の求めたい方向へに絡めて自分で探究を組み立てていくことができたと思います。