総合型選抜でどうやって志望理由書を書いたら良いか分からない…
と悩む人は多いと思います
しかし、総合選抜で志望理由書を書くときには分かりやすい書き方の「型」や方向性があります
本記事ではそんな志望理由書の書き方を分かりやすく解説していくので、是非最後まで読んでみてください!
目次
まずは探究テーマをハッキリさせよう
総合型選抜の志望理由書の一番の核になってくるのは自身の探究活動や研究したいことです。
自分がどのような興味を持ち、どのように探究してきたか、それを大学でどう続けていきたいのか、志望理由書はこれが無くては始まりません。自身の探究テーマが見つかっていない人はまずはそこから始めましょう。探究テーマがもうあるという人は是非別に簡単なレポートに纏めてみると良いでしょう。志望理由を書く際にそちらから要約する形で書けますから、複数校の志望理由書を書く際に楽になります。探究テーマがしっかりあると、その前後に何を書くべきかが自ずと決まってきます。
探究テーマを設定する際に参考にできる本WEB内の他記事もあるのでそちらも参考にしてみてください!
探究テーマと志望校の必然性を結びける
次に、探究テーマとあなたがその大学に行きたい理由がしっかりと結びついている必要があります。この大学に行きたいからこうする、ではなくこの分野を学びたい、探究したいからこの大学に行きたい!にしなくてはいけません。大学側も自分の学びたい分野がハッキリしていて、意欲がある生徒を求めています。ですから、自身がその様な生徒であることをアピールしなければいけません。分かりやすいように良い例、悪い例を簡単にあげてみます。
良い例
「私の探究テーマは欧州統合の政治史であり、H大学の国際政治学科は歴史があり、授業や海外の提携校、留学先が充実している為最適だ。」
「僕の探究テーマはダンスと日本文学の関係であり、B大学の日本文学科には似たテーマを扱っている教授がいて、是非その先生の元で学びたい。」
・具体的かつ簡潔に探究テーマを述べている〇
・前後の因果関係がしっかりとしていて矛盾がない〇
悪い例
「私の探究テーマは欧州統合の政治史であり、H大学の国際政治学科で学びたい」
「僕の研究テーマはダンスと日本文学の関係であり、B大学の日本文学科は日本文学に伝統的に非常に強く、是非その環境で探究したい。」
・その大学である必然性を強調する文が無い×
・日本文学について具体的かつ因果関係もしっかりとしているが、ダンスに触れていない×
勿論、実際にはこのような一文で書き切るものではなく、あくまで良い構造、悪い構造を具体的に示しただけです。ではここで私が実際にある大学に提出した志望理由書の一部を抜粋します。
X大学文学部史学科に提出した志望理由書の一部抜粋
私の探究テーマ「近世初期の災害による政治・文化への影響」
“結論として幕府が武断政治から文治政治へ変化し、仁政を敷く中で災害対策が変化し、撫民的性格を持つようになったと分かった。その変化の背景にはこれまでの時代と異なり江戸時代は世界的に寒冷な小氷期に属していることが挙げられる。寒冷や災害がもたらす不作を原因とした寛永の飢饉、島原・天草の乱を経て幕府は諸大名に撫民に努めるよう指示し、諸大名も仁政へのシフトを始めた。これは幕府創建以来続いていた武断政治的性格が幾らか和らいだと言える。松平定信の寛政の改革で見られる囲い米の制や七分積金は幕府財政の悪化を受けて地方に自助的な災害対策を促す物になった。このように幾つかの改革が行われた背景や結果を考察することは出来た。しかし、近世初期における研究したい改革を網羅するには至っておらず、より探求する能力を高められる環境に進みたい。
そのために貴学で学びを深めたいと考えている。近世を探求する上で東洋、西洋との繋がりを無視することはできない。しかし、多くの大学では日本史、世界史、西洋史といった区分でコースを分けている事が多くある。貴学の史学科は日本史、東洋史、西洋史の三位一体の教育を実施しており、継ぎ目なく学ぶ事ができる。私には一次史料を読み込む経験が不足しているので一年生の時は〇〇や〇〇を通して史料を読み解く力、史料を元に考察する力をつけていきたい。二年生からは〇〇教授の日本史特殊講義で近代、主に江戸時代の史料から研究を行いたいと考えている。院生もいる高いレベルの環境で一次史料から読み解ける情報を元に自身の問いの解決と更なる問いの発展を目指したい。“
自身の研究テーマを具体的に述べ、そのうえで不足している点を述べて次の段落に繋げる。次に具体的に大学のカリキュラムを述べながら、大学でどのように探究を行っていきたいか学習計画を記すという構造になっています。これはあくまで私の一例であり、学部や学科によって優先される記述や学習計画の立て方は変わってきます。しかし、基礎的な構造はどの志望理由書も変わらないので参考にしてみてください。
アドミッションポリシーを踏まえて書き出そう
アドミッションポリシーは大学が学生に求める学生像や、入学者を選抜するために設ける基準で特に総合型選抜ではチェックが必須です。学科ごとのアドミッションポリシーでは、一般的にどのような興味や社会貢献への意欲を持っているのが望ましいかが書かれています。自身の探究内容や大学での学びを志望理由書で書く際にはこれに沿って書いていくことになります。
キリスト教などの宗教的なバックボーンがある大学に多いですが、特徴的な造語が入っている場合があります。文書に自然な形でそれを入れられると良いです。多めの字数を要求される志望理由書の場合は、自身の高校時代の部活や生徒会活動での経験を元に集団でのリーダーシップや協調性の重要性やアドミッションポリシーに書かれた人物像であることを示す文章を入れるのが自然です。
ではこれらに沿って書いた、こちらも先程と同じ志望理由書の一部を抜粋します。
“研究を経て災害は行政、庶民の生活に多くの影響を与え、文化や価値観にも大きく関係していると分かった。このような傾向は現代にも現れているのではないだろうか。この傾向を知る事が出来れば結果的には災害の被害を減らしたり、備える事に寄与するかもしれない。しかし、これを実証するには世界で起きていることに関心を持ちその背景を知らなければならない。だから私は「〇〇」して社会問題と歴史を繋げていくために貴学文学部史学科を志望する。“
※〇〇にはその大学がアドミションポリシー内に掲げていた造語が入る
自身の探究を通した社会への貢献を述べたのちに、大学がアドミッションポリシーに掲げていた文を入れて締めくくるという構造になっています。私は最後のアドミッションポリシーを文に組み込む際にあざとさ、違和感が出来るだけ少ない文書にするために何回も書き直しました。しかし、無理矢理に入れて最後の締めくくりが変になってしまうならば自分の言葉に噛み砕いて表現する方が良いかもしれません。
卒業論文から行きたい学科を探れる
志望大学・学科が絞れた人はその学科の卒業論文にも目を通せると良いです。卒業論文には研究室ごとに個性が出ますから、自身の興味がある分野を調べている先輩や教授が分かりやすいです。これにより大学に入った後することが具体的に分かり、入学後の履修計画も書きやすくなるでしょう。
志望理由書の型
今までの説明を踏まえて志望理由書の骨格を表すとこのような形になります。
序論:探究のきっかけ
なぜ探究を行ったのかを説明する。次の本論1に繋がるような記述の仕方をすること
本論1:探究の概論
概要、結論、現状分かっていないことを述べる。
本論2:学習計画
探究をするのに、なぜその大学であるのかを説明する。カリキュラムや教授、大学特有の特色などに具体的に触れる。
本論3:高校での活動や経験
(規定文字数が多い志望理由書の場合に記述)
高校時代の部活や委員会の活動を通して得た経験を述べる。
結論
以上のことから私は貴学を志望し、「アドミッションポリシーの書かれた人物像」を目指して探究していきたい。
志望理由書を何回もやり直してもめげない
総合型選抜の志望理由書は本当に人それぞれです。自分が今までやってきたこと、これからも続けていきたいことを決められた文字数に収め、尚且つ必要な情報も入れなければなりません。先生からダメ出しを受けて何度も修正を強いられることでしょう。(私も最初の志望理由書は10回は書き直しました)しかし、そんな時に諦めずに自分がその大学に行きたいと思った理由を思い出してください。志望理由書はテストと違って失敗しても、何度でも書き直せます。何度でも書き直して、納得が行く最高の志望理由書を完成させましょう!









