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【2024年度版】総合型選抜の試験の種類・内容徹底解説【有名私大40校調査】

総合型選抜の選抜方法は本当に多種多様であり、大学や学部によって大きく異なります。

ここでは、総合型選抜の試験で複数の大学が実施している代表的な試験について紹介します。

試験内容や出題傾向・大学で実施される率も紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。

総合型選抜の代表的な試験

※以下に示す実施率は2023年度入試の有名私大40校の総合型選抜の調査結果です。どの試験に分類するか迷うものも多くあるため、数字は目安とお考え下さい。

面接・口頭試問(実施率99%)

面接=コミュニケーション能力や熱意を見る試験

多くの大学では面接を試験科目として課しています。

面接ではこれまで自分が取り組んできたことや大学で学びたいことなどを中心に聞かれることがほとんどですが、学校によってアットホームな空気だったり、すこし緊張感があったり、面接の雰囲気には少し差があります。

また、学部によっては英語を用いた面接になるなど、いくつかのバリエーションがあります。

口頭試問=論理的な受け答えを見る試験

口頭試問は面接形式で質疑応答を繰り返す試験です。

面接に似ていますが、面接が人間性を知るためのコミュニケーションをとることを目的としているのに対し、口頭試問は論理的で適切な受け答えをできているかを確認するのが目的という違いがあります。

総合型選抜での口頭試問の内容として多いものは、「事前提出課題に対する説明と質疑応答」「志望理由に対する質疑応答」などとなっています。ただし、理系の学部の場合は、理科や数学の内容についての論理的説明を要求されることもあります。

大学によってはほとんど面接と変わらない意味で使っている学校もあり、内容は学校によって様々です。

小論文(実施率39%)=論理的思考力と表現力をはかる

大学では、総合型選抜試験で小論文が課されます。これは受験生の論理的思考力や洞察力を図るものです。「漠然とテーマだけを与えられてそれについて論じるもの」「文章を読んで意見を述べるもの」など、様々な形式があります。

小論文には様々な形式がありますが、どんな形式でも求められているのは「論理性と説得力」であり、そのために必要な論理的思考力といってよいでしょう。

つまり、「ちゃんと筋が通っていて、理屈に合っている」うえで、「確かにそうだな」と思わせられるかが大切です。具体性と言い換えることもできるでしょう。具体的にどういうことが必要かイメージできると説得力がある、ということですね。

また、いくら論理的に考える力があっても、テーマに関する知識が全くない状態では小論文は書くことができません。そのため、ある程度の知識を持っておくことは必要ですし、そのために社会への興味・関心を持つことも重要になります。

小論文ではどのようなことを問われるのか、募集要項に書かれていることが多いので、あらかじめチェックして、勉強しておく必要があります。

学力試験(実施率32%)=基本的な言語能力や論理的思考力を見る総合問題が中心

人間性や意欲を重視する総合型選抜とはいえ、学力試験が入試で課されることも多いです。とはいえ、二次試験ほどの難易度があるものは多くなく、基本的な能力をみるものが多くなっています。ですから、学力試験があるならやめておこう…と考えてしまうのはもったいないことが多いです。

二次試験のように科目ごとに分かれた試験の場合もあれば、総合テストという形で国語や数学などが組み合わされた試験の場合もあり、内容は様々です。中には新聞を読んでその理解力を見る試験などのユニークなものもあります。

一方で、かなり難易度の高い学力試験を課す場合もあるので、事前にどんな問題が出るのかのチェックは必須です。

プレゼンテーション・発表(実施率19%)=伝える能力を見ることで論理性や学力、熱意を測る

プレゼンテーションはその名の通り、試験官の前で発表を行う試験方法です。内容は自己PRであったり、提出したレポートや試験の説明であったり、多種多様です。

プレゼンテーションと一口に言っても、口頭で済ませるものから、本格的にスライドなどを準備しなければならないものまであり、試験時間も5分程度の者から30分程度のものまで幅広く、その規模感も様々です。

プレゼンした後には質疑応答も入るのが基本なので、入念に準備して臨まなければいけません。

また、他の生徒の前でプレゼンテーションを実施する場合もあります。この場合、プレゼンテーション後の質疑応答での態度や質疑の内容が評価対象となっていることがあります。

講義聴講とレポート提出(実施率8%)=受験生の大学入学後の姿を見極める、直球試験

近年取り入れる大学が増えている試験で、大学の教員による講義を聴講(30~60分程度)し、その後講義に関連する課題が与えられてレポート形式で提出します。いわば、小論文の課題文が講義に置き換わったものといった感じの試験になっています。

レポートだけでなく、それを踏まえて発表をしたり、学力試験を課す場合もあったり、バリエーションも豊富です。当然ながら、授業態度も評価されると思っておいた方がいいでしょう。

大学の講義を疑似体験させて、その理解度や態度を評価するわけですから、大学としてはその受験生を入学させるべきか判断しやすい試験になっているといえますね。

また、理系の学部では講義ではなく実験を行ってレポートを作成するといった場合もあります。

集団面接・グループディスカッション(実施率6%)=リーダーシップやコミュニケーション能力は受験生同士で会話させるとよくわかる

面接に関しては個別面談だけでなく、集団面接を実施する学校もあります。その場合単純に面接を複数人まとめて行うという場合はほとんどなく、グループディスカッション方式で受験生同士が意見交換をすることが多いです。

実技試験(実施率4%)=実技能力が必要な学部・学科では必須のことが多い

特にデザイン学科や、教育学部の体育、美術、音楽専攻などの学科で実施されています。また、スポーツの実績をPRして受験する際にも課される場合があります。

その他

そのほかにも様々な試験が大学独自で実施されていますが、そのほとんどは上記の試験内容の派生形という形です。あまりに特殊で内容がよくわからない試験の場合は、総合型選抜の専門家に質問する方が良いでしょう。

試験名と試験内容がイメージと合わないことがあるので注意

募集要項や過去問を必ずチェック

各大学の試験内容を確認する際に注意しておくべきこととしては、試験の名前と内容が思っているのと一致しない、と言うことがよくあると言うことです。

募集要項には面接と書いてあっても、細かく内容を読むと「これは面接ではなくプレゼンテーションだな」と感じることや、「グループディスカッションと書いているけど、プレゼンテーションもしないといけないな」というものも多くあります。

必ず試験内容の細かい内容をチェックするようにしましょう。

また「試験としては小論文がなかったけれど、提出書類の中に小論文があった」という場合もあります。試験内容だけでなく、募集要項全体をしっかりと確認しておくことが必要です。

まとめ=総合型選抜で求められる能力=論理的思考力 & コミュニケーション能力

論理的な思考をもとに、相手と思いを伝えあえるかが重要

以上、総合型選抜の試験内容を見てきましたが、多くの試験内容に共通するのが

  • 論理的思考力
  • コミュニケーション能力

の2つを求めている試験だということです。特に「他者の言っていることを正しく理解し、相手に伝えたいことを正しく伝える」という点が重視されているように感じます。これは、大学入試改革の方針にも合致しますね。

何より重要なのは熱意と意欲

総合型選抜は熱意や意欲を最重視して選抜を行います。

ですから、重要なのは「本当にその大学に進学したいという気持ち」「学びたいという強い意欲」をもって試験を受けるということです。

いくら口で立派なことを言っても、「本当は妥協して受験している」「受かればラッキー」「面倒だけど仕方なく試験にきている」というような気持ちを持って受験していると試験官には伝わるものです。逆に、意欲をもって取り組み、本当にその大学に入学したいと思っているなら、その熱意は通じるでしょう。

ですから、試験に向けてはその大学に本当に入りたいんだという気持ちを高めるのが大切です。具体的には大学を見学に行ったり、パンフレットを読み込んだりして、大学の魅力に触れて気持ちを高めていくことが有効でしょう。