「志望理由書は生成AI使っちゃえばすぐ作れそう」
「チャッピーに相談すれば1時間で書けそう」
そんな風に考えてしまう高校生も多いかもしれません。
しかし総合型選抜は、あなた自身の個性や大学で学びたいという熱意が厳しく問われる入試方式です。特に志望理由書は、総合型選抜の最初の関門であり、数多くの受験生のライバルの中で試験官の心に響くものを作成しなくてはなりません。
志望理由書を作成する中で生成AIは強力な味方にもなれば合格を遠ざける落とし穴にもなり得ます。なぜなら、高校生の多くが生成AIを使い慣れている時代であり、生成AIっぽい文体や構成で書かれた志望理由書に、大学の試験官は飽き飽きしてしまっているのです。ライバルも生成AIで作成しているのに、あなたも同じように使うだけで合格につながるはずがないのです。
本記事では、志望理由書作成にAIはどの程度活用してよいのか、生成AI活用の方法や注意点について詳しく解説していきます。
目次
大学入試の生成AI活用に対するポリシーを厳守しよう

生成AIの活用に対しては、明確に禁止を打ち出している大学もあれば、自己責任としている大学も存在します。そして生成AIの活用について明確な声明を出していない大学も多く存在しています。筆者が調べた限りでは、生成AIの活用を認めていると認めていない大学の比率は半々程度でした。志望理由書の作成に生成AIを活用するにしても、その前に志望大学の声明や募集要項をしっかりと自身で確認してください。
また総合型選抜の場合のみならず、大学の教員や職員は、生成AIの文章が多いことに苦労しています。生成AIに丸投げして作った似たような構成と内容の文章を多くの学生が提出してくるとなると、思ったよりも低い評価で返却される場合があります。
生成AIの活用を認めている大学の場合でも、それは決してAIの内容を丸ごとコピーしてよいという事ではなく、あくまでもアドバイスを得るために使うべきということを覚えておいてください。
生成AI使用時のダメなマインド3選
①少ない情報量で生成AIに聞いてしまう
生成AIは優れたAIであるため、我々が少ない情報量で投げかけてもそれらしい文章をうまく作ることができてしまいます。しかしその際、与えられていない情報は言い換えたり抽象化したりされるため、いざ読み返したときに受験者本人らしさを感じにくくなってしまいます。
例えば、次の文章を読んでみてください。
少ない情報量でAIに尋ねた場合の志望理由書例
~前略~
貴学では、○○学の学びを深めたいと考えている。○○学の分野は、私の考える課題の解決に不可欠な視点である。 私が現場で得た経験を貴学の学際的な環境で研鑽し、将来は持続可能な社会を実現するための手法を提示できる人材を目指す。
文章としては確かにきちんとしてるように見えますが、実際に「あなたならでは」の情報がほとんどなく、具体性に欠ける志望理由書になってしまっています。こうした「あなたならでは」の情報が少ない志望理由書は、真っ先に落とされてしまうリスクが高いのです。何か伝えているようで、何やったかを伝えられていません。
このように、受験者本人の情報や経験等をしっかりと伝えない状態で生成AIを利用してしまうと、他の受験生と差をつけることができない志望理由書だけが出来上がってしまいます。
②生成AIの回答を鵜吞みにしてしまう
生成AIが作成した文章は、整っていて正確なようにみえるため、つい信じそうになってしまいがちです。しかし、AIは時として誤って情報を提示することがあります。geminiを使用すると画面の下の方に「Gemini は AI であり、間違えることがあります。 」といった文言が記載されている通り、AIは常時正しい回答を出力してくれるわけではありません。
生成AIが出力した回答を確認する際は、必ず情報の裏付けを自分自身で行うようにしてください。
③1回のやり取りで生成AIの回答に満足してしまう
近年目覚ましい成長を遂げている生成AIは、一度訪ねただけでも我々の想像を超えるような量の回答を提示してくれます。そしてその回答は、人間が1人で生み出そうとすると時間がかかるものであり、生成AIの便利さを実感するばかりです。また、受験生であるみなさんは、一度生成AIが出力した志望理由書が、自分が時間をかけて作成した志望理由書よりも優れているように感じ、生成AIのものをついそのまま使いたくなってしまうかもしれません。
しかし、一回のやり取りで生成AIの回答に満足してしまってはいけません。
生成AIを利用する際は、何度も何度もやり取りを繰り返して内容をブラッシュアップしていくことが必要不可欠となります。一度生成AIが出力した答えに満足するのではなく、気になった点を聞いてみたり、異なる視点で自分の意見を評価してもらったりと、時間をかけて生成AIと向き合うようにしてください。
志望理由書作成の適切な生成AIの3つの活用方法
では生成AIの利用を禁止していない大学の志望理由書を書くにあたって、生成AIをどのように活用することができるのでしょうか。ここでは、その方法を2つ紹介いたします。
①志望理由書の叩き台アイデアを5つ作る
いざ志望理由書を書き始める際、「何から書けばいいのだろう」、「どのように書けばいいのだろう」と手が止まってしまうことは珍しくありません。そんなとき、生成AIを用いることで文章作成の切り口を提示してくれます。 例えば、以下のプロンプトを用いて、生成AIに尋ねてみましょう。
■ 志望理由書の叩き台アイデア用プロンプト例
あなたは〇〇大学〇〇学部を志望する総合型選抜の受験生です。以下の受験生の情報や大学の情報、条件を参考にして、志望理由書に記載するアイデアを5つ挙げてください。
#受験生の情報
・〇〇〇〇(過去の活動実績など)
・〇〇〇〇(特技、趣味)
・〇〇〇〇(将来の目標)
・〇〇〇〇(学部で学びたいこと)
#大学の情報
・〇〇〇〇(大学のアドミッションポリシー)
・〇〇〇〇(学部カリキュラムの特徴)
#条件
・〇〇〇〇(受験生の情報→大学で学ぶことや将来の目標との関連性という流れで作成してください)
・上記の情報のみを参考に作成してください
もちろん、提示された回答をそのまま使うわけではありません。提示された案を見て情報を取捨選択し、自分なりの考えや経験を足していくことで、自分の考えが整理され、スムーズに書き始めることができるようになります。
②複数の視点から生成AIに添削してもらう
自分自身の手で作成した志望理由書は、知らず知らずのうちに自分の頭の中で内容を補完してしまいがちです。「わざわざこれを書かなくても伝わるだろう」と思って書かなかったことによって、試験官に正しくメッセージが伝わらないかもしれません。
そのときに生成AIに自身の志望理由書を確認してもらうことで、文章のつながりが曖昧な部分や一貫性にかけている部分など、1人では気づけなかったことに気づくことができます。 例えば、以下のプロンプトを用いて、生成AIに尋ねてみましょう。
■志望理由書の添削専用プロンプト例
あなたは〇〇大学〇〇学部の総合型選抜の試験官です。以下の受験生の志望理由書を、大学の情報を踏まえて以下の視点を基に添削してください
#受験生の志望理由書
〇〇〇〇(志望理由書をここに貼り付けてください)
#大学の情報
・〇〇〇〇(大学のアドミッションポリシー)
・〇〇〇〇(学部カリキュラムの特徴)
#添削基準
・一貫性(全体を通じて主張が一貫しており、無駄な情報が含まれていないか)
・具体性(抽象的な言葉ばかり使われていないか)
・一致性(大学のアドミッションポリシーやカリキュラムに適した内容になっているか)
・分かりやすさ(説明が欠けている部分や言い回しが伝わりづらい部分がないか)
#条件
・なぜ改善が必要なのか理由を説明してください
・改善案も提示してください
このようなプロンプトを活用することで、作成した志望理由書を多角的に添削してもらえます。加えて、生成AIは24時間いつでも利用することができるため、朝や夜であったとしても気軽に何度も尋ねることができます!
③生成AIの出力文が自分の意見と異ならないかチェック
生成AIを活用して思いついたアイデアを基に良い志望理由書ができたとしても、最後は人によるチェックを必ずしてください。生成AIのみに志望理由書を任せてしまっては、受験者自身の意見や考えが入っていない事態になるのみならず、いざ志望理由書を見直したときに不自然な点が残ってしまう事態も多発します。
- 内容が飛躍していないか
- 受験者自身が経験していない内容が書かれていないか
- 志望理由書で述べられている考えは本当に受験者が考えていることか
といったことを確認することを決して忘れないようにしてください。
生成AIで終わらせるのではなく、自分の言葉でまとめあげる
繰り返しになりますが、生成AIで作成した志望理由書をそのまま使用してはいけません。生成AIに頼りすぎてしまっては、あなたらしさが消えてしまいます。
そして、大学によって生成AIに対するスタンスが異なるため、生成AIを利用しようと思ってもまずは大学のホームページ等で情報をしっかり確認することが必要です。もし志望大学が生成AIの活用を禁止している場合は、絶対に利用しないでください。
志望理由書は、あなたのこれまでの経験や大学で学びたい熱意を試験官に伝える大切な機会です。生成AIに頼りすぎるのではなく、あくまでも自身をサポートしてくれる一員として、生成AIを上手に活用してください!
また、志望理由書の具体的な書き方は以下の記事でも解説しています。
