総合型選抜の小論文は明確な答えが無いしどのように対策すればいいのかわからない…
自分が書いている小論文はどのように評価されるかがわからない…
このように考えている受験生の方も多いのではないでしょうか。
実際、総合型選抜で出される小論文形式の問題は、大学によって出題形式が大きく異なり、文字数や条件なども千差万別です。そのため、小論文の試験は事前に対策を練った上で何回も練習しておく必要があります。
しかし十分な対策をせずに本番を迎えてしまうと、周りの受験生に差をつけることができないばかりか、場合によっては不合格にもなってしまいます。
小論文の対策をしっかりと行うにあたって、実は生成AIはあなたの強力なパートナーになります。正しい使い方をしっかりと学び、自身が志望する大学に合わせたプロンプトを作成することで、何十回も練習することができるのです。
本記事では、総合型選抜の小論文対策を行う際に生成AIをどのように使用するべきか、生成AIを用いた対策を行い早稲田大学の総合型選抜を受験した筆者が、注意点や具体的な具体的なプロンプトとともに詳しく解説していきます。
目次
生成AIが小論文対策で有用な3つの理由
理由1: 過去問学習で大学ごとの特殊な出題形式に柔軟に対応できる
小論文の出題形式は大学によって様々です。課題文を提示されるケースや資料読解を提示されるケースといった与えられる情報の種類も異なりますし、要約を求められるパターンや自分なりの課題の解決策を求められるパターンなど記述内容も大きく異なります。
加えて、特定の大学の学部の小論文の過去問題の数は決して多くありません。近年総合型選抜を実施し始めた大学が多いのもあり、過去問が数年度分しか存在していない大学も多くあるのです。そのため、大学が発表している過去問だけでは十分な量の演習を積めないことがあります。
しかし、生成AIに過去問を1年でも読み込ませることで、大学ごとの出題傾向や出題方式を学習し新しい問題を提示してくれます。たった1年分の過去問しかなかったとしても、生成AIはその過去問の特徴を分析し、類似問題を作成してくれるのです。また、出題形式が一定でない大学などに対しても複数の出題形式に応じた問題を生成してくれるため、事前に綿密な小論文対策ができることになります!
理由2:何度でもフィードバックを得られる
また生成AIを小論文に用いることで、自分で見直しただけでは気付くことのなかった文章のミスや論理構造の欠陥に気づくことができます。また論理性や一貫性など採点の基準を与えてあげることで、生成AIは多角的な視点から添削してくれます。加えて、自身が作成した小論文に対して十分なフィードバックををぶつけてくれるのも生成AIの大きな魅力の一つです。
学校の先生や塾の講師であれば適切なフィードバックをあなたに与えてはくれますが、忙しい先生たちにとってあなたの小論文を添削できる時間にはどうしても限りがあります。また一度添削してもらったのを修正してまた先生に見てもらう…といった形はどうしても時間がかかりやすくなってしまいます。
しかし生成AIであれば、24時間いつでもあなたの小論文に対して適切なフィードバックを多角的に行うことができますし、あなたもフィードバックの中で気になった点や疑問点などがあればすぐに聞くことができます。
理由3:身近な社会問題の知見を深められる
小論文を書く際に、自分の意見が浮かばない…ということは受験生の皆さんは多くあるのではないでしょうか。小論文を書く際に、いきなり社会問題に対してのあなたの立場や解決方針を聞かれてしまうと、考えがうまくまとまらず書き出すことに苦労してしまうということは受験生に多く見られる事例です。
しかし生成AIを使用することで、事前に数多くの多種多様な社会問題に触れることができます。海洋プラスチックやオゾン層の破壊といった環境問題や年金といった社会福祉問題、災害問題など幅広い分野の課題を事前に把握しておくことで、それらに対する自身の意見を固めておくことができます。
また自分の意見があまりない、聞かれた際にどの立場をとるか決めかねるといった場合でも、生成AIに聞くことでそれぞれの立場の主張やその理由まで把握することができるため、小論文を書く際の反駁などにも有意な情報を得ることができます。
加えて、最新のニュースに対する知見を深めることができるのも生成AIの魅力です。小論文対策の時事に関する参考書などは出版日以降のリアルタイムな時事が載っていません。もちろん直近の出来事が入試にそのまま反映されることは少ないです。ただ、リアルタイムの時事に触れられるというのは参考書にはない魅力といえるでしょう。
生成AIの使い方の前に…主な小論文の出題パターンを復習
理由1: 過去問学習で大学ごとの特殊な出題形式に柔軟に対応できる
小論文対策での生成AIの使い方に行く前に、主な小論文の出題パターンを今一度確認してみましょう。

このように小論文の出題パターンは大きく3つに分けられます。自身の志望大学の出題形式がどのようなものなのか、ということは小論文の演習を行う前にしっかりと確認してください。
また、3つのパターンのうち1つしか出ない大学というのは非常に少ないです。基本的に大学入試では、課題文要約型と主張型の組み合わせや、資料読解型と主張型の組み合わせが多く見られます。また近年の学習指導要領改訂の影響もあり、新しいパターンの問題を出題する大学も多くあるため、出題傾向の予測が難しくなっています。
そのためどれか1つの型のみ完璧にするのではなく、全ての型に対応できるようバランスよく対策を進めてください。
小論文対策の生成AIの活用方法3選
では、小論文対策をするにあたって有用な生成AIの使い方を3つ紹介いたします。
①. 志望校の試験問題を作成してもらう
ここでは、具体的な試験問題を作成する方法を紹介いたします。
大学が公式に出している過去問は数に限りがあるため、どうしても十分な対策がしきれないという場合があります。しかし、以下のようなプロンプトを用いることで、自分が演習したい分だけ問題を生成し取り組むことができるようになります。
今回は、生成AIが得意とする資料読解型の問題を生成するプロンプト(gemini用)を紹介します。
■ オリジナル試験問題作成用プロンプト例(gemini用)
(問題の過去問をインターネットなどから持ってきてpdf等で貼り付けたうえで使用してください)
# 目的
あなたは大学入試の総合型選抜(旧AO入試)における、小論文の作問エキスパートです。
添付された過去問PDFの出題傾向や形式を徹底的に分析し、受験生の論理的思考力、問題発見能力、および志望学部への適性を測るための完全オリジナルの予想問題を作成してください。
# 前提条件(志望学部・問題構成)
・〇〇(志望学部を記入)
・作成問題数:〇問
・解答文字数:〇〇(例:問1と問2は200字、問3と問4は400字)
# 過去問データの学習
添付したPDFは、当該大学・学部の過去問です。
以下の要素を厳密に分析し、今回の作問に反映させてください。なお、これまでに取り上げた問題以外を選んでください。
1. 設問の問い方(例:「〜についてあなたの考えを述べよ」「図表から読み取れる問題を指摘した上で、解決策を論じよ」など)
2. 求める思考の深さや、評価基準を推測させるエッセンス
3. 過去問のレイアウトや文体(「〜である・〜だ」調など)
# データの提示に関する指示
本問題は「資料読解型」とします。
1. 出題テーマ
2. Geminiの検索機能(Google Search)を使用し、上記テーマに関する信頼できる公的機関(官公庁、白書、国際機関など)が発表している最新のグラフもしくは表をインターネットから検索し、表示してください。
3. 検索したデータ(画像リンク、またはマークダウンの表形式)を必ず問題文の中に提示してください。その際、データの出典(省庁名や調査年など)も明記すること。
# 出力フォーマット
以下の構成で出力してください。
—
【オリジナル予想問題】
# 与えられたデータ[ここに検索したグラフ画像、または表を出力]
出典:
# 設問
[過去問の傾向を踏まえた設問文を記述]
# 解答条件
・文字数
・段落構成の指定(もし過去問に傾向があれば指定、なければ「適切に改行すること」など)
—
このようなプロンプトを用いることで、各大学の出題形式の特徴をおさえた問題に取り組めるようになります。今回紹介したプロンプトは、資料読解型の小論文に対応したものであるため、自身が志望する大学学部に合わせてプロンプトを調整してみてください。
②. AIに小論文を添削してもらう
次に紹介するプロンプトは、作成した小論文を添削するものです。生成AIに添削をしてもらうことで、自分では気づくことのできなかった改善点やアドバイスを提示してくれます。また、生成AIには何度でも尋ねることができるため、納得できるまで繰り返しアドバイスを求めることもできます。
■小論文添削用プロンプト例
# 目的
あなたは大学の総合型選抜における小論文の採点者です。
受験生が執筆した小論文に対して、合格水準に達するための建設的かつ具体的な添削とフィードバックを行ってください。
# 前提情報
・〇〇(志望学部を記入)
・出題テーマ・問い: 〇〇(問題文を貼り付ける)
# 添削・評価の基準
以下の5つの観点から、それぞれ5段階(A〜E)で評価し、具体的な理由を述べてください。
1. 論題への合致(妥当性): 問いに対して的確に、過不足なく答えているか。
2. 論理的構成(一貫性): 序論・本論・結論の構成が美しく、主張と理由の因果関係が明確か。
3. 独自性と説得力: 一般論に終始せず、独自の視点や具体的な根拠(データや先行研究への言及など)が示されているか。
4. 日本語表現(表記): 誤字脱字、不適切な接続詞、「である・だ」調の統一など、論文としての言葉遣いが正しいか。
# 出力フォーマット
以下の構成で回答してください。
—
総評: (全体的な印象と、合格ラインに対してどの位置にいるかのフィードバック)
1. 論題への合致(妥当性)
2. 論理的構成(一貫性)
3. 独自性と説得力
4. 日本語表現(表記)
#1. 良かった点
(受験生の強みや、評価できる鋭い視点などを箇条書きで)
# 2. 改善点と具体的な修正案(それぞれの項目を具体的に複数挙げる。無い場合は省略してよい)
・構成・論理のねじれ (修正すべき箇所と、なぜ直すべきかの理由)
・表現・表記の修正(誤字脱字や、ふさわしい言い回しへの提案)
・内容の修正 (主張の妥当性や根拠の明確さに関する提案)
—
# 受験生の執筆データ
〇〇(ここに書いた小論文を貼り付ける)
+α. 社会問題を把握し、意見を定める
普段あまりニュースを見たりしない受験生は、小論文で問われた問題に対してパッと自分の意見が思い浮かばないことがあるのではないでしょうか。試験の最中に自分の意見を0から考え始めてしまっては、貴重な試験時間がどんどん削られていってしまいます。
自身の立場をはっきりとさせる必要がある小論文の場合、演習の段階で複数の社会問題に対して自分なりの意見を持っておくと、本番の際の負担が大きく軽減されるのです。
もし自分なりの意見を探すのが苦手という方は、生成AIを活用し事前に主要な社会問題や課題、直近の志望学部の出題テーマに対して自分なりの意見を持っておくようにしましょう。
■ 社会問題把握用プロンプト例
# 目的
総合型選抜の小論文対策として、指定された分野における主要な社会問題を10個提示し、それぞれのテーマについて多角的な視点を養うための情報を整理してください。
# 指定する分野
〇〇(教育、福祉、災害、貧困、デジタル化、国際関係など)
# 出力条件
1. 指定された分野から、近年の小論文入試で頻出、あるいは今後出題が予想される「議論が分かれる具体的な社会問題」を【10個】選定してください。なお、これまでに取り上げたテーマ以外を選定してください。
2. 選定した【10個のテーマそれぞれ】について、以下の構成に従って論理的に出力してください。
—
# テーマ:[具体的なテーマ名]
1. 【問題の背景と本質】
– なぜ今この議論が起きているのか。小論文で問われやすい「問いの核心」は何か。
2. 【立場A:肯定派・推進派など】
– 主な主張
– そう主張する理由・根拠
– 立場B(反対派)に対する反論
3. 【立場B:否定派・慎重派など】
– 主な主張
– そう主張する理由・根拠
– 立場A(肯定派)に対する反論
—
このようなプロンプトを作成し、異なる分野で複数回生成AIに尋ねることにより、現代社会で起きている課題についての基礎的な知識を得ることができます。
しかし一方で、生成AIの出力を鵜呑みにしないことも重要です。気になる点や重要そうな点が見つかったら、自分の手でニュースや新聞などを調べ、最新の情報を手に入れるようにしてください。
生成AIだけでなく、小論文対策の参考書1冊分はやり込もう
今回紹介した生成AIを用いた小論文の問題作成は、あくまでも対策方法の1つです。構成の作り方といった小論文の書き方を身に着ける際は、基礎から固められる参考書の方が向いています。そのため生成AIの活用は、小論文の書き方をある程度理解したうえで膨大な数の演習問題をこなす際にはじめて有用になります。最初から生成AIのみに頼るのではなく、まずは参考書等を用いた小論文演習を行うようにしてください。
本屋に行けば、小論文演習に関する参考書が多く陳列されています。気になるものをいくつか確認し自分にマッチしそうな参考書を見つけたら、その参考書をしっかりとやりこむようにしてください。また、何冊も同時並行に取り組んでいくのではなく、まずは一冊を完璧にするようにすると、小論文の力がしっかりと身につくようになります!
参考までに小論文の基礎を身に着けるのによい参考書を2つ紹介します。
改訂版 何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55(KADOKAWA)

こちらの本は、小論文の基本的な書き方を55個の項目ごとに一問一答形式で分かり易く解説されています。まず小論文の書き方を知りたい、そもそも小論文ってどう書けばいいの…と思っている方はこちらから始めるのがオススメです!
小論文の完全攻略本(文英堂)

こちらの本は、近年出題が増加傾向にある資料読解型の小論文の解き方についても詳細にまとめられています。小論文にある程度慣れている方はこちらから始めてみましょう。
生成AIを活用して十分な小論文対策をしよう!
本記事では、総合型選抜の小論文対策における生成AIの活用法について解説してきました。重要なポイントをもう一度振り返ってみましょう。
・生成AIに過去問を学習させてオリジナル予想問題を作る
・24時間いつでも生成AIから多角的な視点でフィードバックをもらう
・リアルタイムで社会問題の背景や両論の主張を整理し、自分の知見を深める
総合型選抜の小論文試験には、唯一絶対の正しい答えはありません。だからこそ、どれだけ多角的な視点を持ち、それを論理的に表現できるかが勝負の分かれ目になります。参考書でしっかりと小論文の基礎能力を身につけ、生成AIを用いて演習を繰り返す。この2つが揃えば、どんなテーマが出題されても動じない本物の小論文の力が身につくはずです。
準備を徹底的に行えば、小論文は怖くありません。自信を持って、合格への一歩を踏み出してください!
