総合型選抜を受験する予定の皆さんは、どのように対策を進めているでしょうか。学力だけではなく受験者個人の資質も問われる総合型選抜では、志望理由書の作成や小論文の演習、面接の対策などすべきことはたくさんあるはずです。そしてその中で、学校の先生や周囲の人たちだけではなく、生成AIといったテクノロジーも活用して試験対策を進めている受験生も多くいます。しかしその一方で、
・どの生成AIを使えばいいのかわからない…
・思ったような回答を出力してくれない…
といった悩みを抱えている人もいらっしゃるのではないでしょうか。普段あまり使っていない生成AIをいきなり総合型選抜の対策に使うとなると、生成AIの種類の多さや機能の多彩さに面食らってしまう場合があります。
実際筆者も、初めて生成AIを利用したときは、GeminiやChatGPTなど多くの種類がある中でどれを使えばよいのかイマイチ理解することができず、なんとなくで使い続けていました。
しかし、それぞれの生成AIの強みや特徴を把握することによって、より効率的に総合型選抜の対策を行うことができるようになります。志望理由書を作成する際はこのAIを使って、面接対策の時はこのAIを使うといったように自分の中で使い分けをすることができれば、より柔軟に総合型選抜の対策が可能になるのです。
そこで今回は、総合型選抜でどのような生成AIを用いるべきなのか、そして有料版を使用する必要があるのかといった疑問点を解消できるよう、それぞれのAIの特徴や総合型選抜への役立て方を解説していきます!
目次
Gemini、ChatGPT、Claudeは何が違う?
おそらく生成AIと聞いてすぐに思いつくのは、gemini、ChatGPT、Claudeの3種類ではないでしょうか。この3つの生成AIはいずれもメジャーな存在であり、総合型選抜の対策のみならず、普段の勉強などでもみなさんの助けになる存在です。今回は、この3つの生成AIの特徴を整理していきます。
GeminiはGoogleサービスとの連携が得意
GeminiはGoogleが開発している生成AIです。Google検索やGoogledrive、NotebookLMなどのサービスと連携しやすいことが大きな特徴です。そのため、そのため、最新の情報を整理しながら調べものを進めたい場合や、複数のWebサイトの情報を比較したい場合に非常に便利な生成AIです。
さらに、Geminiは処理速度が非常に早く、こちらが提示した質問に対してすぐに返答をしてくれます。総合型選抜の対策の中で何回も往復してやり取りを行いたい受験生にとって、回答の待ち時間が少ないというのは大きな魅力ではないでしょうか。
さらにGeminiはGoogle Workspaceとの相性が良く、Googleドキュメント上で作成した志望理由書を読み込ませながら添削してもらったり、Googleドライブに保存した資料を参考に分析してもらったりすることもできます。筆者は受験生の頃、志望大学や志望学部をGoogleのスプレッドシートにまとめて整理をしていたため、それをGeminiに読み込ませることで複数の大学学部の比較を行っていました。普段から学校でGoogleアカウントを利用している高校生にとっては、Geminiは特に扱いやすい生成AIと言えるでしょう。
ChatGPTは複数チャット間で横断的なやり取りができる
ChatGPTは、OpenAIが開発している世界で最も利用者の多い生成AIの一つです。複数のチャットに渡って情報を保管し、対話を繰り返しながら考えを深めたりすることを得意としている生成AIのため、総合型選抜との相性も非常に良いものといえます。
例えば、志望理由書を作成するときに「この文章は論理的か」、「もっと伝わりやすい表現はないか」と悩んでいるときに相談すると、自身が納得するまで何度も改善案を複数提示してくれます。他のチャットでのやり取りも反映させて回答をしてくれるため、志望理由書と面接の練習それぞれでチャットを使い分けるといった方法も行えます。
筆者自身も総合型選抜の対策では、ChatGPTを利用する機会が最も多くありました。自己分析や面接練習など、それぞれの段階に合わせて質問を変えながら対話を重ねることで、自分では気付かなかった改善点を数多く発見することができました。また小論文の演習をするにあたって、入試形式が近年変更になったこともありどうしても過去問の数が不十分であったため、ChatGPTを活用して問題を生成してもらっていました。
Claudeは長文で自然な文章を生成できる
ClaudeはAnthropic社が開発している生成AIであり、自然な文章の作成や長文の読解に優れていることが最大の特徴です。Claudeは数万文字規模の文章であっても、一貫性や論理構成を保ちながら分析できるため、複数の資料を同時に扱う総合型選抜では非常に強力な生成AIとなります。
総合型選抜では出願の際、志望理由書だけではなく、活動報告書、自己PR、探究活動のレポート、といった数多くの文章を作成することになります。そして、それらの作成の際には、文章に矛盾が生じていないか、変な言い回しをしていないかといったチェックを行うことが非常に重要になってきます。
その際にClaudeは、受験者の文章を添削したうえで、不自然な言い回しのない自然な日本語で改善案を提示してくれます。上手い表現の仕方が思いつかない場合や文章の展開を自然にしたい際には、Claudeは非常に便利な生成AIといえるでしょう。
有料版は、無料版よりも質の高い生成AIをより多くの回数使える

現在、多くの生成AIには無料版と有料版が用意されています。もちろん無料版でも自己分析や志望理由書の作成、面接練習など、総合型選抜に必要な基本的な機能は十分利用できます。そのため、生成AIを初めて利用する受験生であれば、まずは無料版から使い始めても全く問題はありません。
一方で、有料版では無料版よりも性能の高いAIモデルを利用できることが多く、回答の質や論理性が向上する傾向にあります。例えば、無料版では少し曖昧だった添削結果や聞いたことから少しずれた回答をされていたものが、有料版ではより詳細に正確に、そして自分の意図に沿うような回答結果を出力してくれるようになります。
また、ChatGPTやClaudeの有料版では一度に読み込めるファイルの上限や文章量が増えることも大きなメリットです。総合型選抜では、志望理由書だけではなく、自己PRや活動報告書、小論文など複数の資料を同時に確認したい場面があります。無料版では文字数の制限によって一度に読み込めない場合がありますが、有料版であれば複数の文章をまとめて分析してもらえるため、大幅な時間短縮につながります。
さらに、有料版では利用回数の制限が緩和されていることも少なくありません。無料版ではアクセスが集中する時間帯に利用しづらくなったり、一定回数以上質問すると最新の高性能モデルが利用できなくなったりすることがあります。やはり一分一秒が惜しい受験生にとって、使っていた生成AIの性能が急に落ちたり、もうその日は生成AIが使えなくなってしまったりといった事態は大きなストレスになってしまいます。しかし、有料版ではそのような制限を受けにくいため、志望理由書を何度も添削してもらったり、面接練習を繰り返したりといった集中的な学習もしやすくなります。
とはいえ、有料版を利用したからといって必ず質の高い文章が完成するわけではありません。生成AIに指示を与える我々の方法次第で、生成AIの出力結果は大きく異なります。そのため、プロンプトを活用し、生成AIがより意図に沿った回答をしてくれるように設定するのが重要なのです。
無料版だから何もかも不十分というわけではなく、あくまでも有料版になると利用できる幅が広がるという風に捉えておくとよいでしょう。
質の高い生成AIを使いたいならばChatGPTの月3,000円プランがおすすめ
ここまで3つの生成AIの特徴についてお話してきましたが、筆者のおすすめを挙げるのであれば、ChatGPTの月3,000円プランになります。
ChatGPTの月3,000円プランであるPlusでは、無料版よりも多くのメッセージを利用できるほか、ファイルのアップロード上限数の拡張、高度な推論機能やDeep Researchなどの機能が付いています。 特にDeep Researchでは、大学・学部の特徴や入試制度、社会問題などについて調べる際に、いくつものWebサイトや資料をもとに情報を整理しユーザーに提示してくれるので非常に便利な存在です。
保護者の方と相談して、体験版の加入をしてみよう
もし生成AIを本格的に総合型選抜で活用したいと考えているのであれば、一度有料版の体験利用を検討してみることもおすすめです。
多くの生成AIは月単位で契約できるため、志望理由書の作成や面接対策が本格化する10月から12月の短期間だけ利用するといった使い方もできます。特に受験直前は、何度も添削や模擬面接を繰り返すことになるため、有料版の利用回数の多さが役立つ場面もあります。
とはいえ、いきなり有料版を利用するとなるとそれなりの費用が発生してしまいます。例えばClaudeであれば月約3,000円、ChatGPTの優れたモデルを使うのであれば月約3,000円から)とその金額は決して安いものではありません。そのためいきなり有料版に加入するのではなく、まずは1か月間の有料版の体験期間などを経て、自分に必要かどうかを確かめるようにしましょう。そして有料版に加入したいと思った場合は、受験生の皆さんだけで判断するのではなく、ぜひ保護者の方と相談してみてください。その生成AIがいかに自身の総合型選抜の対策に必要なのかが保護者の方に伝われば、その費用を保護者の方々が負担してくれるかもしれません。
筆者としては、ChatGPTの有料版でも10,000円以上のproといった最上級のプランは必要ないのではないかと考えます。というのも、学校の授業などで生成AIをあまり使わず、受験対策のみで生成AIを利用する状況であれば、必要最低限の有料版でも十分すぎるほどの性能を利用できるからです。Claudeなどについても、高校生であれば何千字といった多すぎる文章を活用する機会はさほど多くはないため、こちらについても必要以上の有料版にまで加入する必要はないでしょう。
それぞれの生成AIの特徴を理解し、上手に使いこなそう
ここまで紹介してきたように、Gemini、ChatGPT、Claudeにはそれぞれ異なる強みがあります。大学や学部について調べるのであればGemini、志望理由書や面接対策を幅広く進めたいのであればChatGPT、長文の分析や文章全体の一貫性を確認したいのであればClaudeというように、目的に応じて使い分けることで、より効率的に総合型選抜の対策を進められるようになります。
また、無料版でも十分に対策を進めることはできますが、より質の高いフィードバックを求める場合には有料版という選択肢もあります。ただし、生成AIはあくまでも受験生の学習を支えるためのツールです。最終的な志望理由や自分自身の考えは、自分の言葉でまとめることが何よりも重要になります。
生成AIを上手に活用しながら、自分らしい志望理由書や自己PRを作り上げていきましょう。その積み重ねが、総合型選抜本番で自信を持って自分の考えを伝える力につながるはずです。









